特定調停でできること
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特定調停でできること

裁判所に強制執行の停止を求め、認められるためには、通常は担保として一定の金額を提供する必要がありますが、特定調停によって強制執行を停止させる場合には、担保となるお金を提供しなくてもよい場合もあります。

裁判所の関与

特定調停法では、公正な調停の成立に向けた、調停委員会や裁判所の積極的な関与が認められています。
調停委員会が、当事者である申立人(債務者)と債権者に対して調停条項案を提示する場合に、その調停条項案は、“特定債務者の経済的再生に資する”という観点から、公正かつ妥当で経済的合理性のある内容でなければなりません。
調停委員会は、適切な内容の合意が成立する見込みがない場合や、成立した合意が適切な内容のものではない場合に、裁判所が 17条決定をしないときには、特定調停が成立しないものとすることができます。
例として、貸主が無登録の貸金業者であることが判明したような場合や、申立人(特定債務者)が一部の貸主との間で他の貸主に比して極端に有利な内容の合意をしたような場合が挙げられます。

17条決定って?

裁判所は、調停が成立する見込みがない場合においても、職権で、事件の解決のために必要な決定をすることができます。これが17条決定と呼ばれるものです。
この決定の告知を受けた日から2週間以内に意義を申立てなければ、この決定は、裁判上の和解と同一の効力を持つようになります。

特定調停の効力

当事者間に合意が成立し、これを調書に記載した場合、あるいは17条決定の異議申立期間が経過した場合は、これらは裁判上の和解と同一の効力を持ちます。したがって、これらは和解調書や確定判決と同じように債務名義となり、これにもとづいて強制執行をすることができます。

不成立だったら?

  • 特定調停の不成立により事件が終了した場合
  • 異議の申立により17条決定が効力を失った場合

これまでの債権債務関係がそのまま存続することになります。

どうすればいいの?

このような場合、申立人がその通知を受けた日から2週間以内に、調停の目的となった請求について訴えを提起すれば、さかのぼって時効の中断が生じたり、手数料の一部を納めたものとみなされたりします。

民事執行手続きの停止

特定調停にかかわる事件を取り扱っている裁判所は、特定調停による解決がふさわしいと認められる場合、当事者の申立によって、その進行や成立を妨げるおそれのある民事執行の手続きを停止させることができます。
これは、通常よりも緩やかな要件で執行停止を認めるもので、特定債務者が経済的に厳しいことが多いため、無担保で発令されることもあります。

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